読む・感じる・考える〜日々考読
今日は何を読もうかな。
ビートを感じながら
連休が明けましたが、皆さんはどうお過ごしになりましたか?
私は実質二連休でしたが、三連休取れた人でもあっという間に過ぎてしまった感じではないでしょうか。
来週もカレンダー上の三連休がありますが…お休み取りたいです。

今回はトリッキーな語り口が楽しい絲山作品を久しぶりにチョイスしました。
7つの短編がおさめられた短編集です。






ダーティ・ワークダーティ・ワーク
(2007/04)
絲山 秋子

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各短篇がストーリーのつながりを持って展開されています。
この微妙なつながり感がお互いの状況を引っ張り合い、読み進むほどに面白くなってきます。

自堕落だったりわがままだったり軽かったりと個性的な人物ばかり出てきますが、心の奥では悩みながらもひょうひょうと生きている姿にだんだん共感してくるから不思議ですね。
現代人の姿を一瞬で的確に表現している感じで、登場人物に自分や周囲の人をつい投影させてしまいます。
あちこちでローリングストーンズの歌が顔を出すのもポイントでしょう。歌を熟知していればメロディやビートを感じながらもっと作品世界に入り込めるかもしれません。
文章で表現する音を感じる、これがこの短編集の楽しさだと思いました。
また、さっぱりしていながら適度な湿度も感じさせる独特の雰囲気はこの短編集でも健在です。このあたりが読んでいて気持ちよさを感じる理由でしょうか。

短いながらも本質をズバッと突く言葉の使い方のうまさが光るこの1冊。
読後感は爽快です。







この本は…

●日常に倦怠感を感じている人
●ローリングストーンズの歌が好きな人
●音楽活動をしていた人、またはしている人

におすすめします。





中高生の頃、深夜ラジオをつけて洋楽番組をずっと聴いていました。曲名もバンド(歌手)名も分からないけれど惹きつけられる曲がたくさんあって、テープに録音・編集をし友人同士で貸しあっていましたね。当時の邦楽にはなかったリズムやメロディを耳にした時の衝撃と興奮、今でも思い出します。

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男脳と女脳
今日放送された東テレの番組『カンブリア宮殿』は建築関係の内容でとても興味深く観ました。
どの業界でも変革を恐れずに突き進む経営者はいるものですね。
この番組に出演される経営者からはいつも強い信念を感じます。

このところ立て続けに周囲で話題になったため改めて読み直したのがこの書籍。
前回は一喜一憂しながら読んだ覚えがありますが、今回はいろいろ考えさせられました。






話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
(2002/09/01)
アラン ピーズバーバラ ピーズ

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男性と女性とでは脳の使い方が違う―この主題を、狩猟時代の生活や遺伝子の話にまでさかのぼってさまざまな角度から検証しています。

改めて読んでも納得できる部分は確かにあります。あるひとつの行動時に使う脳の部分が男女で違う等、科学的に示してある点は分かりやすいですね。
読みながら思わずくすりと笑ってしまうような事例も少なくありません。
ただ、男女対等意識が高まっている今日でも意外と女性たちは家庭を守り子供を育てることが重要だと考えているというのはそう声高に叫ばなくても周知の事実ではないでしょうか。
種の継続のために遺伝子にプログラミングされた本能だとすれば、時代が移ったところで根本からその考えが覆されることはかなり難しいことないのですから。
そもそも今の社会での成功や名誉の定義は本書でいうところの「男だけで築き上げてきた価値観」で決められたもの。
脳の構造も求められた役割も違うとされる女性がそれに合わせようとすることには無理があって当然なのかもしれない…と考えさせられます。

性同一性障害という立場がゆっくりとながらも受け入れられつつある現在、女性のもつ価値観や感性も社会的に広く取り入れられていけば、より性差の少ない社会になる可能性も期待できるでしょう。
単なる男脳・女脳の違いだけに注目せず視野を広げて読みたい1冊です。







この本は…

●家庭や職場で言動に性差を感じている人
●性による脳の構造の違いについて知りたい人
●雑談の話題を探している人

におすすめします。





男性用化粧品が普及したり力作業の多い職種に女性が就いたり、現代においては男女の世界が徐々に近づきつつある印象を受けます。それはもともと人間というひとつの種であることで相違点よりも共通点のほうが多いということなのか、近づいたり離れたりする歴史の通過点に過ぎないのか…。うーん不思議だ。

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障害ではなく個性だ
車の買い替えを検討中のため、終日カーディーラー回りをしました。
いくつかのメーカーを回ると接客対応に違いがあって面白いですね。
肝心の車はもちろんですが、ついそういう面も気になってしまいました…勉強になります。

さて、今回は読みごたえのある作品をご紹介します。
人間の本質をえぐった深みのある内容でした。





ハルモニア (文春文庫)ハルモニア (文春文庫)
(2001/02)
篠田 節子

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精神障害を持つ人が集まる社会復帰施設に音楽療法助手として通うことになったチェロ奏者の主人公と、脳障害を持ちながら驚異的な音楽の才能を秘めた入所者の女性。
耳を切り裂くように鋭く響く澄みきった高音を思わせる緊張感あふれた二人の関係を軸に、芸術の世界の厳しさや暗さが冷静に描かれています。

脳の一部を欠損した場合別の機能が突出するという話を聞いたことがあるせいか、女性の音楽才能の描写にはリアリティを感じました。
しかし彼女本人はどういう思いでメロディを覚えチェロを演奏しているのだろう…と考えると、私たちとは違うであろう音楽に対する姿勢や感情(それすらあるのかどうか分かりませんが)を想像することは正直難しかったですね。
また主人公が女性の精神を解放させるために無理を強いる言動に走っていく展開は、読んでいてはらはらしました。
機能的健常者がその価値観に機能的障害者をあわせようとするのは単なる自己満足ではないか、なぜ違う価値観違う生き方を認められないのか―読み手に対し女性からの無言の抗議を受けている気分にさせる筆力はすばらしかったです。

きっと100%相容れることはできないであろう立場の違いをどうクリアするのか。
音楽というフィルターを通して両者の寄り添い方を考えたくなる1冊です。







この本は…

●音楽(特にクラシック)が好きな人
●脳障害の治療現場の実際に触れたい人
●ややホラーチックな小説が好きな人

におすすめします。





学生の頃吹奏楽をやっていたので、当時からかなりの年数が経っていますがステージに立ち音楽を奏でることの気持ちよさは今でも鮮明に思い出すことができます。ただし今はもっぱら聴く専門で奏でることからはすっかり遠ざかってしまいました。もう手が動かないかもしれませんが、いつか再チャレンジしたいです。

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ありのままで生きたい
宮崎県で広く食べられているらしい冷や汁というメニューを初めて食べました。
鰹だしの香りがきいていてなかなかおいしかったです。
炊き込みご飯とはまた違うごはんメニューで新鮮でした。

さて今回読んだのは久々の東野作品。
やっぱり東野氏はうまいなぁ…としみじみ感じさせる展開でした。






片想い (文春文庫)片想い (文春文庫)
(2004/08/04)
東野 圭吾

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男性とは何か、女性とは何か。
読んでいる間に、何度もそう問いかけて読み手にその都度考えさせる力にぐいぐい引っ張られます。

自分らしく生きるということは簡単なようで実は難しいことです。
そして似た立場どうしでなければ理解できない苦しさを抱えて生きる世界があります。
主人公は性同一性障害の友人を理解し擁護しようと必死に東奔西走しますが、心と体の性が一致している人間にはどう頑張っても理解できない部分があることをいろんな場面で感じさせます。
またこの友人の性転換という現実を目の当たりにして、同級生どうしの間でも今まで生じなかった微妙な感情のずれが生まれてくるあたりは、とてもリアリティがあって自分ならどうするかを考えてしまいました。
またストーリーが進むにつれ独善的になっていく主人公の姿は、嫌悪感というより痛々しさを感じさせます。
誰でも人生のいろんな節目で分かれ道の前に立った時はどちらか片方の道しか選べないわけで、選ばなかった(あるいは選択肢になかった)道の起伏や明暗は未経験の立場で真に理解することはできないでしょう。
一見ばらばらな方向に進んでいるかに見える同級生たちはそれぞれ自分の選んだ道を進もうとしているのであって、自分の考えだけを基準に同級生たちの言動の良し悪しを判断する主人公に対してはあまり感情移入できませんでした。

めまぐるしく、そして意外性の多いストーリー展開で文句なく面白く読めます。
少し重いテーマですが、一読の価値ありです。







この本は…

●性同一性障害に悩む人の心理について知りたい人
●性を超えた友情を描いた小説を読みたい人
●学生時代の同級生と今も交流が続いている人

におすすめします。





地元を離れて長いこともあって同級生とはなかなか会える機会がありません。そのかわり年末年始やお盆といった長期休暇に地元へ帰れる時はなるべく同級生たちと会う約束を入れます。会えば一瞬で当時の自分たちに戻れる時間…次に進む貴重な活力の源ですね。

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自分であって自分でない
仕事机の脇にできてしまったまま放置していた書類の山を、やっと片付けました。
いざチェックしてみるとすでにタイムアウトになった情報ばかり。つまりほとんど生かせていないということですね。
得た情報はすぐに生かすか棄てるか即断しなければいけません…。

今回は、初読の作家(?)の作品を取り上げます。
翻訳業を主業とする佐藤亜有子氏の初小説です。







ボディ・レンタルボディ・レンタル
(1996/12)
佐藤 亜有子

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某有名大学に通う二十歳の主人公が、自らの体を貸し出すボディレンタルという仕事を通じてさまざまな「顧客」と関係を結んでいくというストーリーです。
自由奔放というべきか短絡的というべきか、読み手によって好き嫌いが大きく分かれる展開です。

刺激的な描写に目を奪われがちですが、ふっと主人公の心の空虚な部分を感じさせる瞬間があります。
愛という感情はよく分からない、けれど体で、瞬間的につながってぬくもりを感じるならそれもいいじゃないか―という静かな叫びも聞こえます。
なぜボディレンタルなんていう自分を切り売りするようなことをするのかと読み始めたときは感じましたが、体はさらけ出せても心は素直にさらけ出せないのだと捉えれば主人公への見方も変わってくるでしょう。
ただし後半に進むにつれて主人公の心理を深く掘り下げる視点が薄れてきて、単なる売春行為の羅列といった様相を呈してくるのが残念ですね。
ラストも一瞬はその急展開ぶりに驚かされるものの、やや突拍子過ぎる印象が残りすぎてこれまでの流れが断ち切られるような思いがしました。

しかし心と体が一致しない年代が抱えるジレンマがよく描かれている作品だと思います。
そういう意味では、読んでいるうちに思春期の頃の自分を思い出すかもしれません。







この本は…

●哲学が好きな人
●人をいとしく思うことについて考えたい人
●心と体とのずれに悩んでいる人

におすすめします。





初めて手にする作家の作品は手探り状態で読み始めることが多いですが、読破した書籍数が増えてくると初めの数ページで自分好みの雰囲気かどうかが分かるようになってきますね。でもそれって好みの固定化=視野を狭窄化しているだけなのかも。今後もいろんなジャンルや作家の作品を読むよう心がけなければ。

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プロフィール

Author:ふくふく
旅行・ドライブ・食べ歩き・雑貨ショップめぐりが趣味。
そして読書は一番新しい趣味になりました。
皆さんの本選びのご参考に―。



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