| 家族という不思議なモノ |
ゴーヤに海ぶどうと今日は沖縄色いっぱいの夕食を取りました。 夏バテで弱りそうな胃でもするすると食べられるのが不思議ですね。 暑い地域で生まれる食材は身体を冷やす効果があるからでしょうか…冷えの強い女性は要注意?
昨日読んだ重いテーマの小説の残像がまだ残っているので瀬尾作品でほっこりとしたくなりました。 微笑ましくも切ない短編集です。
収められている『卵の緒』『7's blood』とも素敵なストーリーでした。 肩肘張らない、けれど互いを思いやる親子や姉弟のやりとりに愛情が垣間見えるさりげなさがいいですね。
『卵の緒』では、自分は捨て子と信じて疑わない少年とあっけらかんとした母親の会話がほのぼのしていて、読んでいて飽きません。 この母親の不思議な魅力に読み手はかなり引きつけられるのではないでしょうか。 また『7's blood』では、血のつながりがない弟の面倒を見ることになった姉のふてくされかたが微笑ましいです。 自分を守るための固い殻をどんどん破って頼ってくる相手に対しつい悪態をついてしまうところや、そんな相手に徐々に心を許していくところが平易な文章でシンプルに描かれていて、無駄がない分姉の心情が読み手の心にストレートにて伝わってきますね。
家族のあり方はいろいろあっていいんだと肩の力をうまく抜けさせてくれる作品です。
この本は…
●親または子供との距離感にとまどっている人 ●兄弟姉妹とつい喧嘩してしまう人 ●家族を大切にしたいと思っている人
におすすめします。
昨日は帰省ラッシュで公共交通機関も道路も大変な混み具合だったようです。遠方から実家に帰省する人は移動自体が一大イベントになってしまうので大変ですよね。帰りのラッシュは道路が明日から、公共交通機関が17日だそうです…帰省している皆さん、くれぐれもお気をつけてお帰り下さい! テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌
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| 教師の目から生徒を見る |
本格的に梅雨の季節になりましたね。 まだほとんど雨が降っていないからと先週蛍を見に行きましたが、見つけられたのはたった2匹。気温が低すぎたのか水が汚れてきた証拠なのか…結局今年は見られずじまいで残念です。 梅雨入りが遅かったので、明けるのも夏が来るのも遅れるかもしれませんね。
今回は久しぶりに瀬尾作品です。 いつものようにほのぼのした感じかと思っていたら、けっこうシリアスで考えさせられる内容でした。
小説の舞台は中学校、テーマはいじめ。 特にライトノベルではありがちな設定ですが、優しげな文体の中にも現役教師である瀬尾氏の鋭い視点が見え隠れしています。
かつていじめの対象になっていた女子生徒といじめる側からいじめられる側になってしまった女子生徒の二人が主人公。それぞれの立場からストーリーが進んでいきます。 先頭に立って執拗にいじめを行うのも、いじめを受けている子をかばうと自分がいじめられるという恐怖からいじめを黙認するのも、罪の重さは同じ―大人はそう考えます。いじめはいじめ、それ以外の何ものでもない、と。けれど当事者の生徒たちはもっと深刻で悲惨で自虐的で、それが読んでいてとても切ないですね。
学校を温室と表現しているのはある意味社会の厳しさから守られた場という意味がこめられているようですが、こういった毎日が繰り返される場所のどこが温室なのでしょうか。 画一的に育てられること? 悪さをしてもなかったことにしてくれる環境? でもそんなことは生徒たちは望んでいないし、毎日が戦いです。少なくともこの小説の彼らは。 認めてほしい、気づいてほしい、堕ちていくのをとめてほしい…と心の奥で教師や親に向いて叫んでいるように感じました。
小学校の教師をしている友人が「今の子供たちはいつも何かを恐れてて自分から動こうとしない。こいつらが大人になったらどうなるのか不安でしょうがない。でも自分は教師だから何かしら自信をつけさせてやりたいっていつも考えてる」と言っていたことを思い出します。 大人にこそ読んでほしいと強く思った1冊。
この本は…
●思春期の子供がいる人 ●学校生活がつまらないと思っている人 ●いじめの実態の一端を知りたい人
におすすめします。
小学校3・4年の時の担任はとにかく情熱的な教師でした。運動会でも歌唱コンクールでも勝っては泣き負けては泣き…ませた女子生徒たちから子ども扱いされていたくらいです。けれど何年経っても同級生たちが懐かしむ教師はその担任だけ、今思えば生徒一人ひとりをよく見ていてくれたと感じますね。 テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌
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| 旅先で感じる |
プロフィールにも挙げているのですが旅行は趣味のひとつ。特にこの数年はまっています。 がむしゃらに仕事をしていた頃は旅行に行く時間がもったいないと思っていたのですが、思い切って友人と北海道に行って以来考えがころりと変わりました。どんな時間を過ごすかは自分次第なんですね。
昨日のハワイ本に続いて今日の本も旅にからんだ1冊。 といっても旅に出た理由はけして楽しいものではないのですが。
ストーリーは主人公が仕事にも周囲との関係にも疲れ果てて死に場所を求めて旅に出るというところから始まります。が、平易な文章と主人公本人が真剣であればあるほどコミカルになる旅先でのやりとりが軽快感を出していて、自殺を図るシーンがある割にはとてもさらりとした小説という印象です。 自分の意思とは関係なくするすると物事が運び状況が変化していく―こういうことは現実でも意外とあるもの。ただそれを他者が共感できるような伝え方ができるかどうかはやはり筆力の有無によるでしょう。平易な文章でこんな世界をつくりあげてしまう瀬尾氏の筆力はすばらしいと感じました。 めまぐるしい展開やおどろおどろしい過去を持った登場人物の羅列だけが小説ではないのですね。
主人公と辺鄙な山奥で細々と民宿を営む男性とのやりとりがとにかく面白く飽きません。そしてこの男性が実に魅力的。したい仕事を捨て迷いながら地元に帰ったものの、帰って来た後は地に足つけてすっくと立って生きている姿は潔く力強いです。 『短期間しか滞在しないつもりの土地はえてしていいところしか見えないし見ようとしない。けれど自分が生きていくべき土地ならそうはいかない。』 男性から発せられるメッセージは、嫌だからと安易に自分の立つべき場所から逃げてきた主人公だけでなく、数日旅行に行った程度でその土地のことを解ったつもりでいる私を含めた多くの旅行者への批判なのかもしれません。
ラストについて私自身は納得し難い展開でしたが、主人公の彼女の性格ならそうするしかないだろうな…それが正直な気持ちだろうな…とも感じました。 一見日常の断片を淡々と描いているようでいてあなたにとって生きるとは?と無言の問いを投げかける、軽くて重い、重くて軽い小説です。
この本は…
●自分の居場所が見つからないと感じている人 ●じわじわ元気が出てくる小説が読みたい人 ●自分で旅行を計画し行ってみたい人
におすすめします。
最近駅弁の人気が再沸騰しているそうです。定年を迎え自由な時間を得た年代の人々がゆったりと電車を使って旅行することが増えたからなんだとか。新幹線や飛行機もいいですが、鈍行のローカル線に乗って窓から入ってくる風に吹かれながらのんびり駅弁を食す…なんてのも至福のひと時かもしれませんね。 テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌
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| ブラックなゆるさ |
なるべくいろんなジャンルの書籍を読もうと努めてはいるのですが、ついミステリーに偏ってしまいがちなのが素人レビュアーの悲しいところ。 いつも訪問してくださる方々、ありがとうございます。
たまにはのんびり読みたいと思い表紙カバーで選んでみました(安易?)。
占い、恋人、同棲、終わりの予感…と女性読者には満足感たっぷりな内容です。 しかしそれ以上に主人公ルイーズ吉田の妙に脱力した占い師ぶりがおかしくもあり腹立たしくもあり、その割に憎めない不思議なキャラクターが一番の魅力でしょう。 街角の占い師であれ真剣に見てもらったことがある人にはこの作品で描かれる占い師のスタンスに複雑な思いを抱くかもしれませんが、個人的には正直そうだろうなぁと納得できる面も多いですね。 占い師も一人の人間ですから。
ストーリー展開はゆるゆると、時にブラックなスパイスを効かせながら進んでいきます。 人とのかかわりを極力避けていたルイーズが少しずつ変わっていく様子は読む側も一緒に成長していくかのような一体感があり、けっこう心地よい読後感でした。
主人公の少し不恰好な生き方は、一見意味がなさそうだったり遠回りしているように思えることでもとらえようによって自分の糧になるということを示唆していると言えるでしょう。 人間はどんなことからも学べるのだ、と。
この本は…
●毎日が平凡でつまらないと感じている人 ●何かしなければと焦っている人 ●価値観の合う恋人や友人しかいらないと思っている人
におすすめします。
自分がなりたい将来にたどりつくために立つべき場所(=すべき努力)のことを指す立命という言葉を友人から教わりました。無駄な努力はない、けれど正しい方向に努力しなければ実を結ばないという意味だとか。この言葉を教えてくれた友人は今まさに実践し結果を残しつつあります…さて私の立命は何だろう。
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