読む・感じる・考える〜日々考読
今日は何を読もうかな。
憎めない小市民たち
雨です。しとしと降ってます。
湿気の多いこの時期は憂鬱ですが、夏がもうすぐだと思えば気分も持ち直せますね。
昔は嫌いだった夏がここ数年待ち遠しいです。泳げないんですが。

どよんとした空のように低く重い雰囲気が立ち込める作風といえば岩井志麻子氏。
今回読んだ作品もなかなかのよどみっぷりです。






合意情死 (角川ホラー文庫)合意情死 (角川ホラー文庫)
(2005/09)
岩井 志麻子

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十分すぎるくらいなおどろおどろしさが感じられるタイトルや表装に、そして何よりも岩井氏の作風イメージにそぐわない普通な雰囲気の短編集です。
岩井氏のファンは意外に感じるかもしれませんね。

5編の短編すべてに、強いもしくは妖艶な女性(じゃない場合もあり)に翻弄される男性が出てきます。その翻弄され加減が悲しく、けれどユーモアを感じさせて読み飽きません。
特に『自動幻画(シネマトグラフ)』『巡行線路(みまはり)』の主人公の男性たちはどうしようもない感じなのに憎めない、彼のとるべき行動はそれしかないと思わせる変なマイナスオーラが出たキャラクターです。

この作品群で感じる怖さは、岩井氏お得意の霊的恐怖ではなく人間が持っている欲望や邪念。一見何も求めていないようで心の深い部分では強烈に愛や名誉を求めている―その姿は読んでいて背中をすっとなでられるような静かな怖さがあります。
登場人物たちが繰り出すのらりくらりとした岡山弁が、その隠れた怖さを倍増させる効果をもっていると思いました。
方言の威力はすごい。





この本は…

●日常に潜む恐怖を描いた小説を読みたい人
●近代の人々の生活に関心がある人
●岡山弁の奥深さを知りたい人

におすすめします。





大阪市北区にある露天神社(通称お初天神)をご存知でしょうか。近松浄瑠璃『曽根崎心中』の元となった心中事件の舞台となった神社で、境内には心中した二人を供養する塚が建てられています。許されなかった恋を全うするために死を選んだ二人の覚悟たるや…幸せだったのか無念だったのか。


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌



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Author:ふくふく
旅行・ドライブ・食べ歩き・雑貨ショップめぐりが趣味。
そして読書は一番新しい趣味になりました。
皆さんの本選びのご参考に―。



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