読む・感じる・考える〜日々考読
今日は何を読もうかな。
強すぎる正義の行く先は
自宅近くに中学校があるため夕方になるとランニングしている中学生たちをよく見かけるのですが、この炎天下で学校の周囲を苦しそうに何週も走っている姿をみるとちょっとかわいそうになってきます。
いつ熱射病になってもおかしくない気温と日差し…大丈夫でしょうか。
苦しさを我慢し乗り越えるのは大切なことではありますが、しなくていい我慢もあるのではと感じます。

自分を犠牲にしてでも愛する人を助けたい―それは善意なのか自己満足なのか。
そんな問いかけが聞こえてくるような作品を今回はご紹介します。









最愛最愛
(2007/01/19)
真保 裕一

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真保裕一氏の作品は初読です。
新聞の書評欄で評者が絶賛しており書店でもPOPが乱立していましたね。なので大きな期待を持って読んでみました。

幼い頃両親の死により親戚に別々に預けられ育った姉が突然の事故で意識不明の重体になったことを知らされた弟である主人公が、不可解な状況に疑念を抱き真相をつかむべく奮闘する―という展開です。
前半はさまざまに推理を働かせてしまうような内容が次々と出てきて面白いのですが、後半になるにしたがって読みにくくなってしまうのがまず残念ですね。
それはストーリーが稚拙というわけではなくて人物描写に難があるのだと思います。

昔から豪快で一本気だった姉は思春期以降かなり波乱万丈な人生を生きた、よく言えば正義感の塊、悪く言えば融通が利かず周囲が見えない人物。
その姉の言動を新たに知るたび主人公が姉を褒め称え、手を差し伸べなかったことを悔やむというパターンが頻発するのがだんだん気になってくるのです。
確かに、愛する人のために普通ではできないことをやってのける彼女はすばらしいでしょう。しかし正義感や愛情という感情を楯にした単なる横暴やわがままではないか…と感じてしまう面も多く、無条件に全てを肯定してしまう主人公の思考に共感できない部分がありました。
そういう意味ではタイトルに皮肉なものを感じてしまいます。

一本芯の通った自分の考えを貫き通す意味での強引さはかえって魅力的なことが多いものですが、あまりにも客観性を失った人物描写は読み手を引かせてしまうのだなあ…という印象ですね。
弟ではなく第三者が真相を探っていく展開にしたほうが面白かったかもしれません。

ただしスピード感のある展開は迫力があります。
警察の捜査の動きに対する鋭い視点はさすが、といったところでしょうか。






この本は…

●犯罪心理について関心がある人
●複雑な家庭環境で育つことによる影響について考えたい人
●愛情とは何かについて考えたい人

におすすめします。





私にも兄弟がいますが、お盆や年末年始に実家で顔を合わせる以外はほぼ連絡しあっていません。都合があわず実家に帰らないことが続くと数年会わないことも…けれど顔を見たとたん一緒に暮らしていた頃に戻ってしまうのが不思議ですね。実家で会うのを待つだけでなくたまには電話してみようかな。


テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

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旅行・ドライブ・食べ歩き・雑貨ショップめぐりが趣味。
そして読書は一番新しい趣味になりました。
皆さんの本選びのご参考に―。



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